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10年前

その日、私は朝から家の掃除をしていました。
前日は友人と長電話をしていて、
おそらく寝たのは夜中の3時半を過ぎていたにも関らず、
翌日は朝の6時か7時には起きていたと思います。
眠いとか辛いとかはありませんでした。
ただ、寝ている時間が無償にもったいなく感じた。

でも、早起きしたものの特にすることもなく、
家中掃除機をかけました。
私のせめてもの家族へのお礼のつもりです。

季節は年末、大掃除の時期です。
掃除機をかけ終わった私は、
何か母を手伝いたくて、冷蔵庫の掃除をしました。
何か気の利いた会話をしたかったけれど、
何を言ったらいいのかわからない。
母も何か特に話しかけてくるわけでもない。
淡々と洗濯や掃除をしていました。

もうすぐ時間です。
私は近所のポストへ両親宛の手紙を投函しました。
恐らく1?2日後には家に届くでしょう。

それから家に戻り、母、父、妹に
用意をしていたプレゼントを渡しました。
すると、思いがけず、家族からも手紙をもらいました。


そして、とうとう時間が来ました。
私は今からアメリカに行くのです。
長年夢見ていた留学をいよいよ実現させるのです。
ずっと夢見ていたことを実現させる時というのは、
こんなにも寂しくて、不安で、心細いものなのでしょうか。
よく「希望と不安が半分ずつ」とか言いますが、
私は不安が100%。
それだけでした。


空港に着くと、友達が集まってくれていました。
高2のクラスの友達、高3のクラスの友達、
ハンドボール部の友達、
それから学生時代のバイトの友達など、
15人くらいいたように思います。

空港に着く前までは
寂しくて泣いてしまうかもと思っていましたが、
せっかく来てくれた友達に
まんべんなく話しかけないと、という思いで、
こっちのグループに話しかけ、
次にあっちに話しかけ、その合間に家族にも話しかけ…
と私なりに気を遣っているうちに、
あっと言う間に時間が来ました。

搭乗の最終案内のアナウンスが聞こえています。
もう行かなければいけません。
みんなに別れを告げ、
意外と悲しくないもんだなと思いながら、
エスカレーターに乗り、手を振り続けました。
母が追いかけてきます。
私は笑顔で大きく手を振りました。

そして、母の姿が視界の上方へと消えたその瞬間、
不意に涙があふれました。

後に、私がエスカレーターに乗ってから母も泣いていた、
と友人に聞きました。

しかし意外なことに、
私が、日本を離れて寂しくて泣いたのは
先にも後にもこの一瞬だけです。



家を出る間際にもらった家族からの手紙を
飛行機の中で何度も読みました。
当時、なんとなく恥ずかしくて、
父とは全く留学の話をしていませんでした。
父も何も私に言ってこないので、
私がアメリカに行くことを何とも思っていないのかな
とも思っていました。
そんな父の手紙にはこう書いてありました。

「辛くなったらいつでも帰っておいで」

この言葉が今でも忘れられません。




それから、約17時間後。
私はニューヨークのラ・ガーディア空港に降り立ちました。

マンハッタンに向かうタクシーの中から見た景色は
今でも脳裏にしっかりと焼きついています。

民家の窓辺に飾られたクリスマスのイルミネーション。
そして、暗闇に浮かび上がる摩天楼。



知り合いもいない、英語もわからない、ダンスもほとんどできない、
本当に何もない私でしたが、
日本を出発する前まで私を100%占めていた不安は
なぜか消え去っていました。
だからと言って、ニューヨークに来たことに
ワクワクしていた訳ではない。
家族や友達と離れて寂しかったわけでもない。


ただ、私は今からここで一人でやっていくのだ、と
何度も自分に言い聞かせていた。
さもなければ、湧き上がる不安に押しつぶされてしまいそうだと、
無意識のうちに感じていたのかもしれない。

そう何度も心の中で思いながら
私は前方に浮かび上がるマンハッタンを眺めていました。



こうして、私のニューヨーク生活の幕が明けました。

今からちょうど10年前の、12月20日のことです。

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屋台の実態に迫る

前回の記事
「ニューヨーカーに最も愛されるお店」
の続きです。

ニューヨークで最も数の多いお店、屋台。
そんな屋台は、朝早くから
マンハッタンのあちこちで見かけることができます。

屋台3

このようなコーヒーとベーグルやドーナツ、マフィンを売っている屋台が
そこらじゅうに出現します。
どれくらい「そこらじゅう」かと言うと
1ブロック1屋台くらいの割合です。

通勤途中にその屋台に立ち寄りベーグルとコーヒーを買うのが、
ニューヨークの定番スタイル、といった感じです。


そしてお昼になる頃にはベーグル屋台はほとんど姿を消します。
代わりに、登場するのは、そう、ランチ用の屋台です。

屋台2

ジャイロやケバブ等がのボリュームランチが食べられます。
私は、あまり食べたことがないので、
どこの屋台がおいしい、とかはわかりませんが、
人気屋台は列をなすほどの人気ぶりだそうです。


そして、さりげなく(?)登場しているのが、
ホットドッグやプレッツェルなどの屋台。
いかにもニューヨークらしい品揃えですね。

屋台1

ちなみに、この写真の奥の屋台は、朝のベーグル屋台。
お昼ごろなので、ほとんど屋台は空っぽ。


そのほかには、ナッツ類を売る屋台も
あちこちで見かけます。


もはや、屋台はニューヨークの日常生活と密着している
と言っても過言ではないでしょう!

ニューヨーク旅行の際には、ぜひ屋台めぐりをしてみて下さい!
そうすれば、あなたもニューヨーカーです!



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ニューヨーカーに最も愛されるお店

ニューヨークにはたくさんのお店がひしめき合っています。
映画や雑誌にも度々登場しますよね。

5番街やSOHOには高級ブランドが立ち並んでいます

また、SOHOにはおしゃれなセレクトショップが
たくさん集まっていることでも有名

もちろん、H&MやGAPなどのカジュアルなお店も
マンハッタン中に多数あり

ファーストフードはさすがアメリカ、あちこちにあります

ファーマシーも大型店舗が多く、
24時間体制で、しかも、3?4階くらいまであるお店もあり、
品揃えは日本の比ではありません

それから、日本ではなじみが薄いですが
「デリ」と呼ばれるお手軽食料品店(?)も、
日本のコンビニに匹敵する勢いです

ちなみに、コンビニはマンハッタンにはありません。
あるのかもしれませんが、私は見たことも噂に聞いたこともありません。
唯一、クイーンズでセブンイレブンに1度入ったことがあるだけです。


ありとあらゆるお店が、多数ひしめきあうマンハッタンですが、
そんな中にあって、

最もニューヨーカーに愛され
最もニューヨークらしい

お店は何だと思いますか?




それは、高級ブランド店でもなく
ファーストフード店でもありません。

それは他でもない





屋台です


屋台と言うと、お祭りみたいなイメージがあるかもしれませんが、
いくらニューヨークでも
さすがに毎日お祭りが行われているわけではありません。


まあ、当然です



では、ニューヨークでは、いつ屋台が登場するのでしょう?
そして何が売られているのか?

次回はそんな屋台の実態に迫ります。



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アメリカのトイレ話2

昨日の記事ついでに、今日もトイレ話です


トイレ用の芳香剤はアメリカだってもちろんあります。
当たり前です。
が、それ以外に匂いを消すために使うものがあります。

なんだと思いますか?




答えは

マッチ



マッチ1          マッチ2



とても一般的かどうかは確かではありませんが、
私のルームメイトだったチャーリーは、誇らしげに

「僕はマッチを使うんだよ。生活の知恵だな


と言ってました。

私は、もちろん、「へー」と思ったのですが、
チャーリーに多少気を遣って大袈裟に感心してみました。

チャーリーも、そんな私の態度に少し満足げにも見えました



さて、肝心のマッチ効果ですが、
消臭効果はあるのは認めます

それにしても、チャーリーは私によっぽど
その効果を知らしめたかったのでしょう。

毎日大量のマッチが使われ、
バスルームはいつもマッチを消した匂いでいっぱいでした



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アメリカのトイレのルール

お久し振りです。

突然ですが、みなさん、家の中のトイレのドアって
使っていないときは、どうしていますか?

多分、閉めていますよね。
私の実家はそうですし、
よそのお宅におじゃましても
閉まっていたような気がします。
(あまり気にかけていなかったので、不確かですが)

しかし、アメリカでは、
家の中のトイレ、と言うか、お風呂と同じになってることが多いので
「バスルーム」と言ったほうが正確かと思いますが、
そのバスルーム、
使用していない時は、
ドアを開けっ放しにしておくのが一般的


ドアが開いている =今誰も使用していない
ドアが閉まっている=使用中


というサインらしい。

始めは違和感を覚えましたが、
このルール、誰かと住むには合理的なため、
すぐに適応しました

そして、帰国して3年半になりますが、
いまだにこの癖が抜けていません。

お店などのトイレを使用した後、無意識のうちに
ドアを開けっ放しにしてしまう。

そして、当然ながら自分のうちも。
今は小さなワンルームに一人暮らしだというのに、
私の部屋のトイレのドアはいつも開いています。

トイレの向かいはキッチン。
別に気にならないけど、
まあ、開けておく必要も別にないな、と
ようやく最近気付きました。

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